【ガンダムの世界を別の視点で描いたショートストーリー:ヒイロ編】第1話「とある日常のガンダム」

2020-07-11 11:30:00

物語中のあるシーンを、ガンダムの世界に生きる、名もないキャラクターからの視点で綴ります。

本日からは『新機動戦記ガンダムW』ヒイロ・ユイ編です!

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『とある日常のガンダム』
ー第1話 『新機動戦記ガンダムW』ヒイロ・ユイ編ー

AC(アフターコロニー)195年、軍事組織による支配を目論む秘密結社OZの独裁を防ぐため、各コロニーは5機のガンダムを地球へ投下させる――作戦名は“オペレーションメテオ”。工作員のひとりであるヒイロ・ユイは、ウイングガンダムのパイロットとして地球降下のミッションを遂行していた。しかし、作戦中、外交官の娘リリーナ・ドーリアンに姿を見られてしまう。証拠隠滅のために自爆を図るも失敗に終わったヒイロは、その場から逃走。
数日後、ヒイロは自分の顔を見たリリーナを始末するため、彼女が通う聖ガブリエル学園へ転校生として潜入するのだった。
これは転校生ヒイロ・ユイを記録する、ある女学生の日記である。


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■○月○日

新学期が始まった聖ガブリエル学園はいつもとは違っていた。
リリーナ様が地球へ帰還されたこともあるけれど、珍しく転校生がやってきたからだわ。
名前はヒイロ・ユイ君。
お優しいリリーナ様は、隣の席になった転校生の彼を気にされているご様子で、近々行われるご自身の誕生日パーティーにもお誘いしたの。
リリーナ様がお誕生日パーティーに招待したくなるお気持ち、わたくしにもわかる気がする。彼、他の男子生徒たちとは何か違って見えるんですもの。
どこのご子息かわからないけれど、フェンシングもあんなに強くて……。
わたくし、ミステリアスなヒイロ君を観察するのが楽しみになってきてしまったみたい。

■○月×日
先日、わたくしはすごいものを見てしまったのよ。乗馬の授業の前に、ヒイロ君が白馬を乗りこなしていたの。
いえ、乗りこなすなんてものじゃない。まるでペガサスを駆る王子様のよう。
その美しさに思わず見とれてしまったわ!
やっぱり彼は他の男子生徒とは違うのよ。
ヒイロ君はパーティーの招待状を破ってしまったけれど、すぐにリリーナ様の涙を優しくぬぐっていたし、もしかしたら今日のお誕生日パーティーにも来てくれるかもしれない。

「さて、日記の続きは後にして、そろそろパーティーの支度をしないと」

ヒイロ君がもしパーティーへ来るなら、どんなプレゼントを持ってくるのかしら。
制服以外見たことがないけれど、どんな服を着てくるのかしら。
私は胸の高鳴りを抑えつつ、リリーナ様のお誕生日パーティーへ出かけていった。

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ヒイロは学園を隠れ蓑として、OZに回収される前に海底に沈んだウイングガンダムを破壊する行動を開始する。そしてヒイロを追ってきたリリーナもまた戦いに巻き込まれていくのだった……。

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シーン元:『新機動戦記ガンダムW』
「第1話 少女が見た流星」
「第2話 死神と呼ばれるG」より